以前も少し触れましたが、
昨今ドイツ人は労働生産性が高い。
という定説があるようです。
この場合、労働生産性はOECDの調査データに基づいており、下記リンク先の記事の通り、ドイツの方が、労働時間が短いことがポイントとなっています。
そもそも労働生産性の国際比較の仕方、労働生産性の求め方には疑問がありますが、まずドイツ人の労働時間が短いことは事実のようです。
今回はとりあえず「なぜドイツ人の労働時間は短いのか?」に着目します。
参考にした本がこちらです。
主にドイツの政策、制度、慣習について一部まとめてみます。
- 企業は社員に対して、年間少なくとも24日間の有給休暇を取得させるよう義務付けられている。(フランスは30日、日本は10日)
- 仕事は人につくのではなく、企業につく。という共通見解があり、企業のオペレーションも考慮されている。
- 企業が社員の健康を守る労働条件を確保することが、労働法によって義務付けられている。
- サバティカル制度を導入する企業が増えてる。日本経済新聞
- 産休、育休が日本よりはるかに充実している。
- シュレーダーによる改革の効果が高い。
- 1日8時間労働が厳守されている。
- 部下を長時間労働させると上司に罰金が科されることもある。
- 超過労働時間は、労働時間口座に貯めて活用できる。
変革を起こすのに、ボトムアップでマインドを変えようとして、なかなか上手くいかない日本企業と、まずは仕組みや制度を変える欧米の合理的なやり方に、優劣の差があると私は感じます。
結局、企業や社会には、変わりたくない人間、変化を恐れる人種が多数存在しており、多数決やボトムアップのような手段は通用しないことが常かと思います。
変革の先が全体的にはハッピーであっても、変わろうとしない人種が多いことは事実だと肝に銘じたいところです。
次回は、そんなドイツにおける問題点も整理しておきたいと思います。